会社やお店のホームページ(WEBサイト)をリニューアルする際に、リニューアルの目的を考えていますか。
時代の変化とともに、ホームページのリニューアルの目的も変わるものです。
ここでは、ビジネスに影響を与える社会や顧客の変化を踏まえ、中小企業にとっての、これからの時代にふさわしいリニューアルの目的を考えてみます。

時代とともに変わるホームページリニューアルの目的

ビジネス目的のホームページの場合、時代ごとにホームページに求められる内容が変わってきています。

初期は見栄え重視の時代

ホームページが広まって初期の頃は、リニューアルの目的は圧倒的に見栄えやデザインの改善でした。
その頃は、「ホームページは、お店や会社の顔である」と考える人が多かったように思います。
ご依頼されるお客様の要望も、「きれいなホームページにしたい」、「凝ったデザインのホームページがいい」、「他とちょっと違うホームページを作りたい」といったものでした。
ホームページ制作の中で、デザインがとても重視された時代でした。

その後、集客がリニューアルの目的に

その後、2000年くらいから、インターネットやホームページが、ビジネスに非常に効果があることが認識されるようになります。
「とにかく多くの人に自分のホームページを見て欲しい」と考える人が増えました。
会社やお店にホームページのリニューアルの際には、何をおいてもまず集客の強化が求められるようになりました。
とにかく集客を増やしたいという状況は、2010年過ぎのあたりまで続いたと思います。
この頃は、「SEO」や「検索エンジン対策」という言葉が大流行した時代でもあります。

2010年過ぎあたりから、コンバージョンの獲得がリニューアルの目的に

2010年を過ぎてくると、中小企業の方もインターネットやホームページ運営に関する知識や経験が増え、一段とビジネスへの寄与を求めるように変わってきました。
ホームページに集客があっても、ビジネスの成果が出なければ意味がないということも認識されるようになりました。

そのため、ホームページのリニューアルに際しては、「コンバージョンの獲得」が求められるようになりました。
コンバージョンとは、問い合わせや注文の獲得、新規来店顧客の獲得といった、ホームページの成果のことです。
「コンバージョン」や「LPO(ランディングページの最適化)」といった言葉をあちこちで目にするようになってきました。
LPOとは、広告からの流入があったページを、注文や問い合わせを獲得するために改善する取り組みのことです。
本当の意味で、ホームページがビジネスへ貢献することを求められる時代になりました。

これからの時代のホームページリニューアルの目的

しかし最近では、コンバージョンを獲得することが非常に難しくなってきています。
売り込みが難しい時代になり、一生懸命売り込むと、かえってお客様が逃げ、ビジネスにマイナスの影響を与えるようになってきました。

そのため、商品を売り込む前に、お客様と良好な関係を築くことが段々重視されるようになり始めました。
「ブランディング」や「物語り(ストーリー)」といった言葉がはやり、商品やサービスを売り込む以前に、顧客の共感を得ることが重視されるようになってきています。
つまり、これからの時代のホームページのリニューアルの目的は、「顧客と良い関係を築くこと」になっていくと思います。

ホームページの反響が下がってきた背景

ビジネス目的のホームページを運営していると、最近は反響を獲得することが難しくなってきたと感じる方が多いと思います。
反響を獲得することが難しくなってきた背景には、何があるのでしょうか?

話を聞いてもらえない情報洪水の時代

今やネット上には大量のWEBページが存在し、膨大な情報が溢れ返ってています。
そして、日々刻々と大量の情報が増え続けています。
そして、スマートフォンのおかげで、どこにいてもネット上の情報を目にすることができる時代です。

作家のアルビン・トフラーが「未来の衝撃」で書いているように、人々は処理能力以上の情報にさらされているため、今や多くの人が適切な判断をできないでいます。
その結果、発信されている情報をきちんと見ない傾向がますます強まり、見たい情報だけを見るようになっています。
よほど魅力的な情報でない限り、顧客は情報を見たくないということを知っておいた方が良いでしょう。

差別化が難しい時代

加えて、今の時代は、商品やサービスの品質が向上し、顧客にとって意味のある違いが非常に見分けにくくなっています。
商品やサービスに差があり、一方が顧客のニーズを満たさなければ顧客は簡単にどちらを購入するか判断できます。
しかし、顧客にとって許容できる範囲の違いならば、比較検討することが難しくなります。

その結果、理性的に判断するのではなく、好きか嫌いかといった、感情や感性による選択が増えています。
ブランディングや物語り(ストーリー)の重要性が最近主張されていますが、「共感」こそまさに感情や感性に響くことを意味します。
これからの時代は、商品の特長を効果的に伝えるよりも、あなたの会社やお店、商品やサービスを好きになってもらうということの方が重要になるかもしれません。

顧客との良い関係をどう築くか?

プラスアルファの情報が必要に

顧客の共感や好感を得たいからといって、商品やサービス内容の説明や、会社やお店の紹介といった情報が必要ないわけではありません。
売るための情報は、ホームページに掲載する必要があります。

しかし、売るための情報では、共感や好感は生まれません。
したがって、それ以外の情報が必要になります。

共感を得たり、好きになってもらうには、友だちをつくることをイメージするとわかりやすいと思います。
誰でも、相手がどんな人かわからなければ、友だちにはならないでしょう。
相手の個性がわかり、それに魅力を感じると友だちになります。

例えば、「自分に親切にしてくれる」、「趣味が合う」、「自分にない長所を持っている」といったことがあると、友だちになりやすいはずです。
つまり、共感や好感を得るためには、あなたの会社やお店の個性を発信する必要があります。
「好かれる人がら」、「顧客の価値観と響き合うこだわり」、「期待以上の顧客への親切さ」などの情報に触れると、共感を得たり、好きになってもらいやすくなります。

制作前の準備が肝

顧客と良い関係を築くためには、制作前の準備が肝心です。
簡単に言えば、「誰にどう感じてもらいたいか」をはっきりと決めることです。

中小企業のホームページの場合、無味乾燥な内容のホームページが多くありますが、それは、「どう感じて欲しいか」を決めないからです。
前もってその点を決めないと、正確な情報を発信することのみに注意がいきます。
すると、正しい情報ではあるけれども、面白みのないことばかり書いているホームページになってしまいます。

例えば、「とっても親切な不動産屋さんだなあ」と感じて欲しいと決めれば、どんな情報を伝えたらそう感じてもらえるかを考えるようになります。
心理学の言葉に「カラーバス効果」という言葉があります。
例えば、「緑」という色を決めて一日「緑」を意識して生活すると、今まで気づかなかったたくさんの緑色のものに気づくようになります。
「どう感じて欲しいか」を決めれば、日常起こっていることの中から、こういうことを伝えるとそう思ってもらえるだろうなと感じるネタを、いろいろ発見することができると思います。

まとめ

売り込みが難しい情報過多の時代には、ホームページのリニューアルをする場合、共感や好感を得ることを目指した方が良いと思います。
そのためには、売るための情報に加えて、あなたの会社やお店の個性を感じさせる情報を発信しましょう。

そして、会社やお店の個性を伝えるのは、実はスモールビジネスの方が圧倒的に有利なのです。
社員の数が多い大企業の方が、社員の価値観や考え方がバラバラなので、会社としての統一した個性は打ち出しにくいのです。

ぜひ、お客様の共感や好感を獲得し、良い関係を築けるようにしましょう。

 

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